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機械工学分野出身の増田亘作博士が第38回井上研究奨励賞を受賞

PFCバーチャル研究室の植物成長予測制御研究室(機械工学分野・福田研究室)の出身の増田亘作氏(現在、筑波大学医学医療系・研究員)が、第38回井上研究奨励賞を受賞しました。この表彰は、過去3年の間に優れた博士論文を提出した若手研究者に与えられます。受賞対象となったのは、増田氏が執筆した「植物概日時計の位相応答曲線の計測と応用」と題する博士論文です。

体内時計(概日時計)は植物の成長に大きな影響を与えるため植物工場の環境制御において重要です。しかしながら、環境と概日時計、生育との間の関係は複雑であり、概日時計を考慮した栽培環境の設計には高度な理論が必要でした。増田博士は、概日時計の応答特性を簡便に計測する理論と精密な計測方法を提案(Science Advances 2017; Nature Communications 2021)するとともに、概日時計と環境、植物の生育との間の一定の関係性を明らかにすることに成功しました(Frontiers in Plant Science 2021)。さらに、概日時計の応答特性を植物工場における栽培に応用するための一連の計測手法と利用方法を提案しました。そして、植物工場における栽培品種であるリーフレタスにおいてこれらの手法を実証することで、概日時計を考慮した栽培環境の設計の植物生産における実用性を示すことに成功しました。現在、増田博士は、筑波大学医学医療系・研究員として概日時計の研究を精力的に展開しています。

増田博士の受賞を心からお祝いするとともに、今後ますますご活躍されることを期待しております。

第38回井上研究奨励賞
http://inoue-zaidan.or.jp/b-01.html?eid=00049