植物工場病虫害防除研究室

植物工場病虫害防除研究室(研究室代表 平井規央)

Laboratory of Plant Disease and Insect Pest Management in Plant Factories

目的

植物工場内の衛生管理において問題となる害虫や菌、微生物等について、その種類や特性を明らかにし、衛生管理技術の開発と安全性や生産性の向上を目的とする。

概要

植物工場では、閉鎖的な工場としての一面を持つ一方で、生きた植物を栽培するという農業的な面を持ち合わせる。このような室内では、害虫等の侵入を未然に防ぐことが重要であるが、一旦侵入を許すと多発につながることがある。また、一般的な室内で発生する衛生害虫、家屋害虫に加えて、農業害虫の危機にもさらされる。菌や微生物等に関しても同様である。

植物病原菌の培養とプレパラート作製の作業
植物病原菌の培養とプレパラート作製の作業

植物工場の生産物は安全でクリーンなイメージが先行し、露地や一般的な農業用施設栽培と比較して、より高いレベルで害虫等の混入を防止することが要求されている。食品や精密機械の工場などでは、害虫の侵入に対し、設計段階からその防止と日常的な管理について緻密な対策がとられている一方で、植物工場では規模や対象となる作物にもよるが、それらの対策に工場間で差があるようである。実際に、衛生害虫、農業害虫を問わず、植物工場内で発生した事例に関する問い合わせも多い。
本研究室では、植物工場における衛生管理技術の開発と安全性や生産性の向上を目的として、問題となる害虫や菌、微生物等について、その種類や特性を明らかにする研究を行う予定である。

具体的な研究内容

植物工場内の害虫、菌等のモニタリング
・植物工場内各所に粘着トラップ、ライトトラップなどを設置し、定期的に確認する
・目視により、害虫や菌の発生状況を確認する。
・養液や培地をサンプリングし、害虫や均等が発生していないか確認する
植物工場内で発生する害虫の防除対策
・モニタリング時に見つかった害虫等の発生源を特定する。
・発生源が特定された場合はそれを除去する等の防除措置を行う
植物工場での衛生環境の向上
・害虫等が侵入しやすい構造の発見とその改善(壁の隙間、紫外光を発する光源など)
・養液や水回りの衛生環境向上
害虫防除法の開発
・農薬を用いない安全で効率的な防除法の検討
・多発する害虫については、飼育実験等で生活史を明らかにし、防除サイクルを効率化する

研究員(スタッフ)紹介
  • 研究代表者
    1. 氏名 平井 規央(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科・准教授)
    2. 専門領域 昆虫生理・生態学
    3. 研究所における役割分担 総括、モニタリング、飼育実験等
    4. ホームページ http://entomol.envi.osakafu-u.ac.jp/
    5. 主な業績
      Hirai, N. et al. (2016) Differences in pupal cold hardiness and larval food consumption between overwintering and non-overwintering generations of the common yellow swallowtail, Papilio machaon (Lepidoptera: Papilionidae), from the Osaka population. Entomological Science 19: 180–187 doi: 10.1111/ens.12182
      Shibuya, T., Itagaki, K., Ueyama, S., Hirai, N. and Endo, R. (2015) Atmospheric humidity influences oviposition rate of Tetranychus urticae (Acari: Tetranychidae) through morphological responses of host Cucumis sativus leaves. Journal of Economic Entomology 109(1): 255-258.
      藤田百合子・柴山裕治・鈴木康弘・小田健一・岩崎拓・平井規央・石井実(2002)混合抽出液「バグフリー®」の室内試験における昆虫忌避および殺虫効果.環動昆13,231-236.
  • 研究員
    1. 氏名 東條 元昭(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科・教授)
    2. 専門領域 植物病学
    3. 研究所における役割分担 モニタリング、菌の同定、データ解析等
    4. ホームページ
    5. 主な業績
      Ueta, S. and Tojo, M. (2016) Pythium barbulae sp. nov. isolated from the moss, Barbula unguiculata; morphology, molecular phylogeny and pathogenicity. Mycoscience 57: 11-19.
      You, X.D., Park, J.E., Takase, M., Wada, T., Tojo, M. (2015) First report of Pythium aphanidermatum causing root rot on common ice plant (Mesembryanthemum crystallinum). New Disease Reports 32: 36.
      Tojo, M., Matsuura, S., Takase M. and Radmer, L. E. (2013) Morphological and molecular identification of Pythium aphanidermatum causing root rot of tomato in a hydroponic substrate culture in the south western region of Japan. Proc. Kansai Pl. Prot. 55: 57-58.
  • 研究員
    1. 氏名 上田 昇平(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科・助教)
    2. 専門領域 進化生物学 生物間相互作用
    3. 研究所における役割分担 モニタリング、昆虫の同定、データ解析等
    4. ホームページ
    5. 主な業績
      Quek S-P, Ueda S, et al. (2016) Nuclear-DNA-based species delineations in Coccus (Hemiptera: Coccidae) scale insects help reveal compartmentalized preferences structured by epicuticular wax in a tripartite symbiosis of ants, plants and scales. Biological Journal of the Linnean Society
      Ueda, S. et al. (2010) Phylogeography of the Coccus scale insects inhabiting myrmecophytic Macaranga plants in Southeast Asia. Population Ecology 52(1):137-146.